自分の心で生きよう ~外部情報に振り回されない~

占いや広告に、、、

ゆりかの服を買うため、わたるはゆりかと一緒にショッピングに来ていた。

「今はアニマル柄がトレンドなんだって!」

「う~ん、、、ゆりかちゃん、本当にその柄好きなの?なんかゆりかちゃんっぽくないな、、、」

「え?やっぱり似合わない?」

「どうせ買うなら一番気に入ったのを買いなよ。どう?それが本当に気に入っているの?」

「そうだよね、、、。雑誌で一押しだったから思わず欲しくなっちゃったけど、よくよく考えたら、私が一番欲しいのはこの服じゃないな。」

「それに今のトレンドってことはさ、少ししてトレンドじゃなくなったらもう着にくくなっちゃうんじゃないの?それだと無駄だよね。」

「うん、確かにそうだね。っていうか、、私いつもそんな事ばっかりしているや。ありがとう、言ってくれて。」

洋服売り場の次はスーパーに移動した。

「〇〇菌が入ったこのヨーグルトが良いんだって」

「へ~」

ゆりかは買い物をするときにも広告や雑誌などの情報をもとにしていた。

「占いで今週はスイーツを控えなさいと言われていて。確かに体調もいいのよ♪」

「へ~、そうなんだ、、、、」

”今度は占いか、、、。なんか外部情報に行動をかなり決められているな、、、。それで幸せなら良いけど、もっと自分の感覚を大切にしたら良いのにな。”わたるは思った。

外部情報に振り回されずに

「凄い当たるって評判の占い屋さんがあるの、今度一緒に行きましょうよ!」
占いが大好きなゆりかはわたるを誘った。わたるは占いには全然興味がなかったが、これはいい機会なんじゃないか?と思い、一緒に行くことにした。

「ねぇ、どうだった?」
「占ってもらった内容はメモに書いておいたよ。まず直近で言うと、今日の昼ご飯にラーメンは食べるなって。あと、今週は車での外出は控えろとか、海は吉だが、山にいくのは危険、大けがの恐れとか言っていたな。」

「じゃぁ、気を付けないとね。」

「さてと、占いも終わったし、昼ごはん食べに行こうか。俺、食べたいのあるんだ。」

「何?」

「ラーメン!」

「え?!ラーメンはダメって言われたんじゃないの?」

「占い師はそう言っていたけどさ。ラーメンって単語を聞いて久しぶりに食べたくなったんだよ。」

「でも食べるなって言われたんでしょう?」

「食べるとおなかが痛くなるから避けろって言っていたな。あと、今日はイタリアンが吉とか。」

「じゃぁイタリアンにしましょうよ。」

「いや、ラーメン思い出したので、ラーメン♪」

「占いの意味ないじゃん、、、」

「そう。まさにそれを伝えたいというのもあるんだ。」

「え?どういうこと?」

「ゆりかちゃんはさ、占いとか雑誌とか、広告とかに考えを左右されているみたいに感じるんだよね。自分からするとそれはもったいない。でも、占いとかで〇〇はダメと言われると〇〇はしにくくなるでしょう?それをするのは不安になるんじゃない?それってもったいないと思うんだよね。そんなのは気にしなくても楽しく暮らせるよっていうのを俺が見せてあげれたらさ、ちょっとはそういう不安を減らしてあげれるかなと思ってね。」

「え、、、でも、今日ラーメン食べておなか痛くなっちゃったら、それこそもったいなくない?」

「ふふふ、おなか痛くなるかどうかは占い師ではなく、自分で決まると自分では思っている。だから、自分は気にしていないんだ。もしおなかが痛くなったとしたら、それはそれで別にいいや。イタリアン食ってもいたくなるかもしれないしね^^」

やってみせる

ゆりかは少し不安そうだったが、結局二人でラーメンを食べに行った。

「うわー、うめぇ、このラーメン!」
わたるは占いのことなどまるで気にせずにラーメンを食べながら嬉しそうだ。

「占いでさ、海は吉だが、山は危険って言われたんだけどさ、こんどの日曜日に山に紅葉見に行こうよ。」

「危険って言われたんでしょう?」

「海も山も、どこいっても何しても危険なことはあるよ。それなら本当に行きたいところに行きたい。本当にしたいことをしたい。紅葉、今がちょうどいい時期なんだ♪」

ゆりかは少し不安そうだったが、まるで気にしないわたるを見ていると、何となく安心もするのだった。

「そうそう、外出に車は控えろとか(占い師が)言ってたけどさ、、公共機関の整っていない田舎でそれは無理ってもんだよな。東京で占ってもらったから、俺らのことも東京在住だと思ったのかもな、あはは。」

山に向かう最中、車に乗りながら二人は話した。

「そうそう、占いでさ、洋画を見るのは凄く良くて、なかでもラブストーリーを見ると最高に運気がアップするとか言ってたんだよね。」

「じゃぁ今度は、それは避けて違う映画を見に行く?」

「いや、最近ずっと映画見ていなくてよく知らないからネットで調べたらさ、今ちょうど洋画で面白そうなのやっていたんだよね。それがラブストーリー。それ見に行こうよ!」

「え?でも占いの逆を行きつつも幸せで入れるっていうのを見せてくれるんじゃなかったの?」

「う~ん、ちょっと違うな。自分が示したいのは、占いとか広告とか、そんな外部要因に振り回されないようになれたらいいねってことで、絶対に逆を行けということではないんだ。絶対に逆をいかなきゃと思ったとしたら、それはまた振り回されていることになるからね。」

「なるほど、、、」

「ねぇねぇ、クラシックの波長が精神を落ち着かせて良いんだって。」
そう言ってゆりかはCDを取り出した。

「クラッシックね、、。ゆりかちゃんが本当に好きな曲は何?今日はせっかくだから好きな音楽を聴こうよ。」

「あ!そういうとこか!ついつい雑誌の情報とかに誘導されちゃう、、。ふふふ。」

楽しく談笑しながら紅葉の名所に着き、その素晴らしい景色に二人ともうっとりとした。

帰りの車の中でわたるは言った。

わたるの気持ち

「俺がこんな事(占いなんか気にするなと伝える事)をしようと思ったのはさ、、実は自分も情報に振り回されているなと感じることがあったからなんだ。それが凄いもったいないことだったなと自分で思ったんだよ、その時。」

「どんなことがあったの?」

「庭の片づけをしようと思っていて、会社が休みの日にそれをやろうと思っていた。やっと今日できる!と思って天気予報を見たら二時間後から雨が降るっていう予報だった。片づけの途中で終了するのは嫌だったので、片づけはやめてしまったんだ。そしたら、、、実際に雨は降ったんだけど二時間後ではなく、四時間後だったんだよね。自分の目立てでは片付け作業は約3時間かかると踏んでいたので、もし実際に四時間雨が降らないのを知っていたら確実に作業開始していて、無事に終了していた。それを知らなかったとしても、二時間後に雨が降るっていう情報を知らずにいたら、最初はまだ雨が降っていなかったので片付け作業は始めていて、実際に終えることができたはず、、、、。そう考えると余計な情報で機会を失っちゃったな、、、とその時凄く思ったんだ。実際、大抵の休日は予定が埋まっていたので、やれるタイミングって言うのはかなり限られていたんだ。」

「余計な情報が機会を失わせる、、、か。」

「そうそう。思い当たるフシ無い?例えば手の除菌のコマーシャルとかで手の上に凄いバイ菌がいっぱいみたいな映像を見せられたら、手を除菌しないと怖くなっちゃったり。でも実は除菌してない人なんて世界中で言ったらほとんどだと思うし、よくよく見てみるとバイ菌の画像は本物ではなく、イメージ図だったりね。バイ菌なんて人間が勝手に言っているだけで、実際は色々な菌がいてバランスをとっているだろうしね。」

「あ~、それは凄いあるわ。砂糖なんかも摂りすぎたら体に悪いかな、、、とか思っちゃったり。」

「それを言い出すとキリないよね。塩だって摂りすぎたら死ぬだろうけど、塩は毒薬とはみなされていないしね。ま、そんな風に自分は考えていて、今回の占いも全部気にせずに自分の感覚を大事に行動しているんだ。ラブストーリー、楽しみ!」

私は私のままで!

後日、その映画を見に行き、二人とも凄く楽しんだ。そしてその後に入った喫茶店で注文をしていた。

「コーヒー二つと、、、、、あとこのモンブラン♪」

「あれ?スイーツは控えるんじゃなかったの?」

「ふふふ、やっぱり私も外部要因に振り回されるのはあほらしいって気がしてきたんだ^^」

「うんうん、良いね!俺はゆりかちゃんが素のままでいてくれたら嬉しい。その方が好きだな。占いとか本とか広告とかのおすすめコーデみたいなのではなく、ゆりかちゃんが本当に好きなものを食べたり、好きなものを着たり、好きなことをしたらいいなと思うんだ。その方が絶対、もっと魅力的だよ!もちろん今でもすっごく魅力的だけどね。へへへ。」

「え?魅力的?嬉しい、えへへ。」

「うん、魅力的。ふふふ。それにさ、逆に俺が占いか雑誌なんかに乗せられてアニマル柄を着ていたらさ、ゆりかちゃんは引いちゃったりするじゃない?」

「う、、、確かにちょっと引くかも。他人目線だと結構ヤバいね。視野狭かったんだな、私。ヨシ、私は私のままで行かせてもらいます!」

嬉しそうにモンブランを食べるゆりかの顔を見て、わたるも思わずニッコリとしてしまった。