自己採点100点、実際は0点。それでも人は成長できる

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家庭教師教え子の開花

自分は家庭教師を受け負っていて、その時の生徒さんの話をしようと思います。

その生徒さんは、当時中学生、自分がどこまで理解できていて、どこから理解できていないのかを把握するのが苦手でした。

その象徴的な出来事があります。

ある数学のテストで、本人は100点取れたと思っていたのですが、実際には0点だったのです。

自己採点がきちんとできないというのは、成長の大きな妨げになってしまいます。なぜなら、できていないところがちゃんと把握できないので、どこを改善すればいいかがわからないからです。

また、自分ができていると思ってしまうと、改善する必要すら感じなくなってしまうからです。

その彼はこんなことを言っていました。クラスではバカと言ったらお前だよな、みたいなふうにみんなが当たり前のように話していると。バカの代名詞が自分だとクラスから思われていると、そう話したのです。

私は、そんな彼に、自信を持ってほしいと思いました。希望を見せてあげたいと思いました

確かに、新しい概念を理解するまでには少し時間がかかるタイプでしたが、実際に 成績を上げて、「皆からも認められるようになりたい」という意志は強く感じました。

この本人のやる気を見て、彼は絶対に伸びると感じました。

私はこれまで多くの人を見てきましたが、能力以上に大切なのは「変わりたい」という気持ちだと思っています。

やる気さえあればすぐに結果が出るという意味ではありません。

しかし、本気で変わりたいと思う人は、時間がかかったとしても少しずつ前に進んでいくことが多いのです。

そして実際に彼が能力を発揮できるように、勉強の意味や学びのパターンの見方などを教えたのです。

当時、帰ってくるテストの点数はかなり低かったのですが、目の前で原理を説明し、問題のパターンを教え、理解してくれた際には、ケアレスミスなどはあったものの、ほぼ完璧に解けるようになることも多く見られるようになりました。

そんな彼が、今は高校1年生になり、今現在、彼の家庭教師はもうしていないのですが、その母親から突如メールが送られてきました。 テストの回答の画像つきで。

「数Ⅰで満点を取ってきました!室田先生に教えて頂いたお蔭です!一言お礼を言いたくメッセージしました。」

実際に送られてきた画像

教え子のT君には、自分は何度も伝えてありました。 君はやれば普通に100点取れると思うよと。

そして、実際に90点以上ぐらい取れれば、彼は自信を持つようになると思ったのです。ただ、当時、中学の時点では、70点台ぐらいはありましたが、90点台は残念ながら取れていませんでした。 見たところ、範囲を全部勉強するという時間が確保できなかったようでした。

自分としてもテストで高得点をとること自体には、人生においてはそれほど重要だとおもっていないので、問題だとは思っていなかったのですが、一度くらい自分がびっくりするような点をとってみて、クラスの皆を驚かせるみたいなシーンを経験してもらえたら、彼の自信につながっただろうになとは思っていました。

高校になると中学よりも勉強は難しくなります。
高得点を取り、自信を得るのであれば、中学の方が楽だと思ったので、中学のうちにその経験をしてもらえたらなと思っていたのですが、なんと、

高校になってから急に数学で満点を採って報告してくるとは…

すごいですね。努力したのでしょうね。

親御さんも凄い喜んでおられました。

人生の道の選択に対する自己採点

そんな彼の報告を受けて、私はふと「自己採点」という言葉について考えました。

T君は当時、自己採点100点で実際には0点でした。

つまり、自分がどこまで理解できていて、どこが理解できていないのかが見えていなかったのです。

しかし、その後少しずつ学習を続ける中で、自分の理解度を把握できるようになっていったのでしょう。

だからこそ、最終的には満点を取れるところまで成長したのだと思います。

テストなら答えがあります。

しかし人生には答えがありません。

だから私たちは、自分がうまくできているのかどうかを見誤ることがあります。

自分では十分できていると思っていても、実は改善の余地がたくさん残っていることもあります。

逆に、自分は全然だめだと思っていても、実際にはかなり成長していることもあります。

自己採点が高いことが問題なのではありません。

自己採点が低いことが問題なのでもありません。

実際の状態とのズレが大きいと、改善が難しくなるのです。

だから大切なのは、自分を責めることでも、自分を過信することでもなく、自分を正しく見ようとし続けることなのかもしれません。

人生の自己採点は、学校のテスト以上に難しいものです。

だからこそ、間違えることもあります。

しかし、自己採点100点で実際は0点だったT君でさえ、後に満点を取れるところまで成長しました。

当時の彼は、自分の理解度を正確に把握することができていませんでした。

けれど、その力もまた後から身につけることができたのです。

人は成長します。

能力だけではなく、自分自身を見つめる力も成長します。

私たちは、自分自身についてさえ思い込みを持っています。
そして、その思い込みは必ずしも正しいとは限りません。

T君がそうだったように、自分では見えていなかった力が後から花開くこともあります。

だから今の自分の評価だけで、未来を決めつける必要はないのだと思います。

この話が、「今の自分はなかなか変われない」と感じている誰かの希望になれば幸いです。

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