個別指南 ~何で、何で、何で?~

個別指南を受けに来てくれた方とお話をしていたところ、彼女はネガティブな思いを持ちやすいことを気にしているようでした。

このような悩みを持つ人は非常に多いと思います。

「ネガティブな思いではなく、ポジティブな思いを持ち続ければ、それを実現化させることができますかね?」

多くの人が同じような質問をしてきます。
その度に思うのですが、多くの人が『精神を技巧的に使おうと考えている』ようです。

そうすることが得であると教える書籍が沢山あるのも知っています。
実際にネガティブな思いを持つよりもポジティブ(と呼ばれる)な思いを持つ人のほうが楽しそうだし上手く行っているかもしれません。

その点で言えば、ポジティブな考えというのは良いものだとも言えます。
しかし、そのポジティブな考えがどのように生み出されたかをしっかりと考え、理解している人は少ないと思います。

そして面白いことに、ここに大いなるヒントが有るのです♪

技巧的な部分ではなく、感情が湧き上がる背景部分が一番重要なのです。

ネガティブって何が悪いの?

背景の説明をするとかなり長くなるのでここでは省きます。(興味があるひとは実習コースまたは個別指南を)

一つの例として、ネガティブと呼ばれる感情の一つ、『ヒガミ』の理解の仕方を紹介します。

個別指南を受けてくれたAさんは、ヒガミという感情を持つとこぼしていました。

さぁ、この感情はAさんをどこに導いてくれるのでしょうか?

ヒガミの背景

Aさんには心の寺子屋実習コースのNo.1をまずは受講してもらい、ヒガミの背景を知ってもらうことにしました。『何で、何で、何で?』というやつです。

1)なんでヒガミを感じるのですか?
自分は派遣であり、周りの正社員からは低く見られている(と思っている)

2)なぜ低く見られていると思うのですか?
昇進しない。給料が低い。単純作業ばかり。

3-1)責任あるポジションに昇進したいですか?
よく考えて見れば別にそのポジションには行きたくない

3-2) 給料が低いと、その人は人間的に劣っているとみなされると思うのは何故ですか?ブッダやキリストなどはどうでしょうか?逆に給料を貰っているとすれば、それはお金に縛られ、義務や責任を感じさせられる原因にもなりえないでしょうか?

3-3) 単純作業を行うのは能力が低い人と見なされるのは適当でしょうか?

3)の段階までひと通り『何で?』を繰り返し、家を出て場所を田んぼに移しました。
Aさんは考え過ぎる癖があり、素直に自分の感情に耳を傾けられるようになるには、自然の中にいたほうがいいだろうなと感じたからです。

田んぼにて ~素直な気持ち~

田んぼではAさんに草取りをしてもらいました。

夏の炎天下、中腰でなかなかキツイ作業です。

ヤス「どうです?単調な作業でしょう?」
Aさん「私、こういうの結構好きです♪」

3-3)の答えが自然にAさんの口から出てきました。そして単純作業自体は別に嫌いでもなく、それがヒガミを生むとは限らないことに気づいたのです。

ヤス「ちなみに、この作業は単純なだけでなく、給料さえ出ません。単純にやりたいからやっているだけです。でも、自分としては人から低く見られるとも思わないし、むしろこのようなシンプルに行動をできる事を素晴らしいと思っているので、逆にその素晴らしさを伝えているんですよ♪」

「更に、単純作業がクリエイティブではないと思っているかもしれませんが、実はそれも違います。自分の場合には、草取りも瞑想も大して変わらないので、今も草取り中にこんな物語が頭のなかで展開していました。絵付きで物語にできたら面白いな~なんて思いながら草をとっていたんです。作業があまり複雑で集中が必要であった場合には、このような創造は逆に難しいでしょう。」

Aさんは田んぼでの単純作業を実際にやってみることで、3)の答えが自身の感情に沸き上がってきました。そして、もともとヒガミの原因であったと思われたものが実は、悪いものでもなんでもないことに気づけたのです。

すなはち、ヒガミを感じる必要さえないことに気づくことが出来たのです。
ただ、これにはやっている単純作業が『自分の意志でやっているのであれば』という前提は必要ですけどね^^

なぜヒガミは沸き起こった?

先ほどの『ヒガミ』という感情が思い違いから生まれたものだとしても、何故生まれた必要があったのでしょうか?

ここを掘るのも面白いですね。

家に帰り、更にお話を続けました。

「役職もなく、単純作業や低賃金労働をする人が社会的に低い身分と見なされるとしたら、それを文句も言わずにやっている人がいたら、それはそれで凄いと思いませんか?」

「例えばお母さん。皿洗い、洗濯、料理、、、役職も賃金も無しに子供達のためにやっているお母さん。どうですか?人的に下に見てしまいますか?むしろ温かい存在に思えませんか?皿を洗いながら、「はい、1200円ね」なんて言われたら子供はショックを受けちゃうんじゃないでしょうかね~」

「2)で言っていたヒガミの原因、低賃金、役職なし、単純作業はAさんにとって苦痛を与えるものでしたが、それらをあなたのお母さんはちゃんとやってくれていたんですよね。これって凄く有難いと思いませんか?」

「もし、今回の考察で母に対して大きな感謝の気持が湧き上がったとしたら、それは物凄い良いですよね~。まさにヒガミ様様^^」

こんな感じで、ネガティブと呼ばれる感情は別に何も悪いことではなく、逆に素晴らしいことに気づかせてくれたりします。

引寄せの法則?

Aさんは引寄せの法則というものに興味があり、それに考えが引きずられてしまっている感じがあったので、少しお話をさせていただきました。

自分も読んだことがありますが、あれを鵜呑みにした場合には上手く行かずに逆にハマってしまうかもしれませんね、、、

「ハッキリとイメージすれば、それが実現するとか書いているでしょう?出来ました?出来ないでしょう?思考の現実化というのは、そんなもんでは無いですよ。そこが面白いんですけどね^^ そんな事より、自分の本当の気持ちに気づけば・・・・・以下省略」

Aさんの心が少しでも軽くなったのであれば嬉しいな~