『思考は現実化する』
こんなワードに静は興味を持っていた。そして、それを実際に体現し、講義をしているというソラディスの元を尋ねた。
そこで、静は兼ねてから気になっていたことを尋ねた。
「『絶対起こる』って思えば起きたりするのでしょうか?」
「うん、そうとも言えるし、まるっきり違うとも言える。「強く念じれば叶う」的な意味で言っているのだとしたら、まるっきり違う。しかし、実際に起こるとも思えていないときには起こりさえしないというのであれば、それはほぼ正しい。」
静にはソラディスの言っている意味がよくはわからなかったが、何か大きなヒントであるような気がして興奮した。
「それはどういう意味でしょうか?」
「ここをちゃんと理解できている人は殆どいないね。地球にも「はっきりと念じればそれは叶う」という事を記す本も多いけど、あれを真似したとしても上手くいかない。『表面的なことを真似しても意味がない』んだ。ここはすごい大事なところだね。」
「更に、実ははっきりとしたイメージさえも不要だったりする。こうなってくると訳がわからないかもしれないね。自分流に言うと、『こんな感じ?になる』ことがわかっているような状態になる。意味不明でしょう?」
そう言ってソラディスはフフフと笑った。
「はっきりとしたイメージにしてもいいけど、自分はサプライズ要素を敢えて残すために現象には幅をもたせている。はっきりとAが起こるなんていうのはつまらないんだ。Aっぽいことが起こると面白いなくらいにおもいつつ、Bなんかが起きても面白い!」
「これだと全然、思考が現実化していないように思えるでしょう?でも実は、自分としてはまさに自分の思考が現実化しているんだ。」
「なぜなら、自分は「何が起こってもいい。全ては完璧なのだ^^」という思考なんだ。地球ではこんな思考をする人はほとんどいない。皆、目の前の何かを一生懸命コントロールしている。」
「それでは現実は変えられないんだ。コントロールせねばと言う思考がそもそも、不自由を意味するのだから、、、」
静は大きなヒントが得られたように感じつつも、結局どうすれば良いかがわからず、戸惑っていた。
そんな静かを見ながらソラディスは言った。
「いいかい?形式的なことは関係ないんだ。あなたが心の中になにを思うかが大事なんだ。Bと思いつつ、頑張ってAのイメージしたとしても、Aにはならない。本当はBと思っているのだからね。いかにはっきりとイメージしようとしても意味がないんだ。」
静は思い当たるフシがあり、小さく頷きながら聞いている。そんな静にソラディスは尋ねた。
「静はなぜ、『思考の現実化』について知りたいと思っているのかな?」
「それはもちろん、幸せになりたいからです。」
ソラディスは静の答えを聞いてフフフと笑ったが、静にはその笑いの意味がわからなかった。
「静、私が先ほど説明したことを覚えているかな?思考の現実化の仕方を。」
静は自分の答えがなにかまずかったかな?と思いながらいろいろと考えを巡らせていた。
「形式的なことは関係なく、なにを思うかが大事ということでしたよね、、、、。」
「そう。それで今の静の頭の中にある思いは何だったかな?」
静はソラディスは何を言いたいのだろう?と思いながらも一生懸命に考えてみた。
「あ!そうか!私は幸せになりたいと思っている。これは、現時点では私は幸せではないと思っているということなんだ!そうですよね?」
ソラディスは満足そうに静の方を見ている。そして少し間をおいて、こう話した。
「静、シンプルに幸せを望みなさい。そしてその幸せがすでにあることに気づきなさい。」
ソラディスは真面目な顔でそう言うと、フフフと笑って去っていった。
静はソラディスの最後の言葉の意味をはっきりとは理解できなかったが、幸せになれるかどうかは自分次第なのかもと思い始めていた、、、、