イブは理想の暮らしとはどんなものだろう?というのを掴むため、海外移住も視野に入れ、色々な国を見て回っていた。
ある国に半年間住んでから自国に帰ってきた時、皆に言われた。
「うわ~、随分太ったんじゃない?」
自分は全然実感がなかったのだが、それを強烈に知らされるタイミングが来た。
親戚の結婚式があり、スーツを着ることになったのだ。
久しぶりに着てみると、、、なんとズボンがきつい!というか、座ってご飯を食べたら破けてしまいそうだ!
立って鏡を見たところ、なんと腰の周りのベルトの上にタルンと肉が乗っかっているではないか!
「なんだこれ?すっきり感がないぞ!」
結婚式は間近に迫っている。まだあまり着ていないスーツ、、、わざわざ新調するのもアホらしいしな、、、
なんて思っていると、こんな考えが頭に入ってきた。
イブは真理探究をしているうちに、感覚が鋭くなったのか、インスピレーションや直感、お告げなどと呼ばれるようなことが頻繁に起こるようになっていたのだ。
『太っているのではない。太っているように思っているだけだ。スッキリとした体を望むのなら、スッキリとした体を創造せよ』
言葉にするとこんな感じだが、実際に心に感じるのは言葉ではない。言葉で説明は出来ないが、“感覚”だ。
イブの顔は輝いた。
「あっはっは!これはまた素晴らしい機会到来だな。これでバシッとスッキリ痩せちゃったら、これまた面白いな~」
この時点ですでに、イブは体がもとのスッキリとしたものになることがわかった。もちろんすぐに。
2日後、もう一度スーツを着てみた。
結果は予想したものではあったものの、やはり胸に熱い思いがこみ上げてきた。
「やはり!!全ては心なんだな、、、そんな事を再確認させてくれるためにもこんな事が起こるんだなぁ。こんなことが知れ渡ったら痩せる薬を売っている会社とかあっという間に倒産だな。」
結婚式には、何事もなかったかのごとくスーツを着ていくことが出来た。
しかし、思いだけはイブの心のなかにしっかりと残っていた。
「いつか人にこの事を伝えよう。タイミングが整ったら、、、」