人生という本の読み方

ソラリスは優香と話をしていた。

ソラリス 「優香、なぜ我慢をしながら行動をしているんだ?」
優香 「生きていくには色々とやらなくてはならないことがあるからよ」

ソラリス 「なぜもっと楽しまないんだ?なぜ好きなことをやらないんだ?やりたいことはあるんだろう?」
優香 「そりゃあ誰だってあるわよ。逆にソラリスの国では皆、好きなことをやれているの?」

ソラリス 「そうだよ。」
優香 「皆が好きなことだけしていて生活なんてできるの?やらなきゃマズイとか不安になったりしないの?」

ソラリスは黙って置いてあった一冊の本を手に取った。
そして題名の部分に『人生』と大きく書いた。

ソラリス 「ここに一冊の本がある。多くの人たちはコレを一言一句逃さずに最初から最後まで読もうとする。途中、怖いシーンや不安を煽るシーンも出てくる。もちろん楽しいページもね。でも、なんでこの本を読むのかな?読み終えた時に何かを感じたいからかな?うちの国では皆、この本を読む時、自由に読んでいるんだ。途中のページから急に読み始めたり、途中はすっ飛ばしたり、、、。そしてそんなことをしていると最後のページが段々と見えてきてしまうんだ。」

優香 「そうなるとどうなるの?」
ソラリス 「途中のページなどは気にならなくなる。最終的にこうなんでしょう?というものが先に得られているからね。」

優香 「それだと人生つまらないんじゃない?」
ソラリス 「いや、そんなことはないよ。縛られないようになるだけで、目の前に起こる出来事は皆で楽しむんだ。良いことを教えてあげよう。優香、自分の人生のページをここまで読んできただろう?辛いことも悲しいことも書いてあった。ここまで読んできた今、過去の辛かったページをもう一度読んでごらん。その時の感情と今では沸き起こる感情に違いがないかな。昔は辛かったけど、今思えば笑い話、、、、そんなケースはないかな?最初から順々に読むだけでなく、前を読んだり先を読んだりしていると、段々と特定のページに執着しなくなるんだよ。」

優香 「そうしたら楽しいことばかり出来る人生になるの?」
ソラリス 「ハハハ、どうだろう。やってみたら?」