「ママ、なんか怒っているみたいなんだけど、、。なんでかなぁ?」
真司(3歳)がパパの部屋に入ってきて言った。
隣の部屋では恵子(7歳)がママに宿題を手伝ってもらっていたのだが、途中で「態度が悪い!」とママが怒りだしたのだ。
ママはカンカンだ。
ママ 「やりたくなければやらないでいいのよ!あなたが困るだけなんだから!」
恵子 ”なんでこんな事になったんだろう?”
恵子はつい反抗的な態度になってしまう自分が嫌だった。
”でも、なんでママもすぐに怒るんだろう?私が悪い事しているのかなぁ、、”
部屋に入ってきたパパは真司と恵子と共に遊びはじめた。
その途中、恵子(7歳)はパパだけに聞こえるように呟いた。
「不思議だなぁ」
パパ 「何が?宿題のこと?」
恵子「カタカナで書くのかひらがなで書くのか、、、訳わかんない、、」
恵子は書き方の宿題をしていたらしく、その問題の意図するところがわからず、問題に対して何を答えてよいかわかっていなかったようだ。
恵子はただ、わからなかったから答えを書かなかったのだが、その行為はママには「不真面目」と写った。
悪気はないの、、、
それをわかってもらいたくてパパに呟いたのだ。
”ママに言ってもまた怒られるだけだろう、、、それに、何て言っていいのかわからないよ~”
そんな気持ちでいた恵子は、自分の居場所も見つけられないように、こたつの裏で小さくなっていたのだ。
パパにやり方を教えてもらい、恵子は宿題を完成させた。
宿題がしっかりと終わったからか、時間が経ったからか、ママの機嫌は治っていた。
機嫌が治ったママを見て、恵子の顔には明るさが戻った。
恵子は心のなかで呟いた。
「ママ、怒らせてごめんね。」
そして恵子にはその時、ママもちょっと嬉しそうな顔をしているように見えた。
実はママもその時思っていたのだ。
「恵子、さっきは怒ってしまってごめんね、、。」
パパに報告に来た時は困ったような顔をしていた真司も、今は楽しそうに笑っている。
笑顔は笑顔を呼び、怒りは怒りを、不安は不安を呼ぶ、、、
『やはり笑顔が一番!』