怒ってごめんね 前編

 母  大田静江 37歳
 長男   大地  4歳

大田家では朝から母、静江と長男の大地が大声で言い合っている。
この頃毎日だ。

「大地、いつまでテレビ見てんの!はやく着替えなさい!!」

「わかってるよ!(うるさいな、、、)」

なんとか保育園に大地を送り出し、家に帰ると静江はほとほと疲れてしまった。
「なんでいつもこうなんだろう?こんなに頑張っているのに、、、」

「大地が私のことを好きでいてくれるのはわかっている。でも、なんでいつも喧嘩になってしまうんだろう?」

反省はするものの、ちょっとした事でまたすぐに喧嘩は始まる。
その晩、ついに静江は心にもないことを言ってしまった。

「もう大地なんかどっか行って!!」

泣きわめく大地を部屋の外に出し、自分は部屋で一人になった。
大地の鳴き声が耳に響く。ショックを受けたような大地の顔が脳裏に焼き付いている。

夫が会社から帰宅し、なんとかフォローしてくれたようだが、怒ってしまった自分にも腹がたっているし、また明日からどう大地と接したらいいんだろう?と不安でしょうがなかった、、

その夜、静江は不思議な夢を見た。

白い服をまとい、まわりがぼんやりと光っている人?が現れ、「子供はあなたの心を反映しているだけだ。あなたの心を反映しているだけ、、、」

夢から起きた静江は不思議な夢だったなと思うと同時に、「大地が私の心を反映しているってこと?なにそれ?どういうこと?」と考えた。
だが、まったく意味はわからない。

翌日、大地は少し口数が少なかった。
自分の母親に迷惑をかけてしまったと子供ながらに責任を感じているようだ。

静江は子供に遠慮なんかさせてしまう自分が情けないと思いつつも、それで黙ってくれるのならちょっと楽かも、、などとも感じていた。

しかし、数日経つと状況はやはり前と全く同じになり、言い争いの繰り返しであった。

そんなある晩、静江は夢でまたぼんやりと白く光る人?に出会った、、、、、

続く

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