昔ある街にものすごく仲良しのサメオとトラキチという2人の男の子がいた。
2人は気が合い、いつも一緒に遊んでいた。
サメオはトラキチのとなり町に住んでおり、遊ぶ公園が二人とも同じだったために知り合ったのだ。
ある日、トラキチは夕御飯の時に親に話した。
トラキチ 「サメオっていう凄い面白い奴がいるんだ。今度遊びに行くんだよ^^」
トラキチの母 「いいわね~。どこの子?」
トラキチ 「隣町だよ。公園で知り合ったんだ」
トラキチの父 「へ~、良かったな。うちのせんべいでも手土産に持って行きな」
そして当日、トラキチはサメオの家に遊びに行った。
サメオの母もとてもやさしく、本当に楽しい時を過ごした。
そしてサメオの部屋で「サメオとトラキチはいつまでも仲間だ。ここにそれを宣言する」などという宣言書まで作る盛り上がりようだった。
帰り際、トラキチは手土産を渡し忘れていたことに気づき、サメオの母にせんべいを手渡した。
サメオの母はせんべいを見た途端、急に顔つきが変わった。
サメオの母 「トラキチ君、苗字はなんて言うの?」
トラキチ 「寅田です」
サメオの母 「!! お父さんの名前は?」
トラキチ 「トラジロウです」
サメオの母 「!!!!」
サメオの母は明らかに機嫌が悪くなっている、、
なんだか「さっさとお帰り」みたいな雰囲気だ。
トラキチは困惑しながらも家に帰った。
トラキチは家に帰るとそのことを親に話した。
トラキチ 「せんべいを見た途端、急に不機嫌になったんだよ。せんべい、嫌いなのかなぁ?」
トラキチの父 「ちょっと待て、、サメオ君の苗字って何?」
トラキチ 「鮫村だよ」
トラキチの父 「!!! 鮫村?!となり町の、、、、」
共に子供達には話していなかったが、実はトラキチの父とサメオの父は、若い頃に対立するギャング団のトップ同士だったのだ。
元々は仲が良かったのだが、途中で仲たがいをし、トラキチの父は“チーム タイガー”、サメオの父は“シャーク団”を結成し、対立を始めたのだ。
そして、ついには死傷者まで出す抗争を繰り広げるようになったのだった。
トラジロウはトラキチに二度とサメオと遊ぶな!と激しい口調で言い渡した。
理由は聞いても何も教えてくれない。
サメオも家では同じ事を親から言われていた。
サメオの方は少し親から昔の話を聞かせてもらっていたが、トラキチは全く訳が分からなかった。