明野町の代表区長としての仕事の一つ、明野地域委員会に参加した際に、共に参列していた猟友会の会長、Gさんと話す機会を得た。
狩猟の現状を知りたいというと早速現場に連れて行ってくれることになった。
集合は翌日の朝五時!
かなり寒いです(^_^;)
狩猟現場
仕掛けている罠を確認して回った。
大体の移動は軽トラなのだが、40度位の勾配の所を下ったり、すすきの生い茂る中をバリバリ音を立てながら進んだり、ナイトサファリのような様相、、、
真っ暗闇に突如現れた人間二人に慌てて逃げながらトタン?の壁に激突して大きな音を立てている鹿を目撃したり、かなり興味深い。
今回は罠には鹿はかかっていなかった。
かかっていた場合はその場で止めを刺すという修羅場が待っていたわけだが、今回はそのシーンは無し。
現場をしっかりと見たいという気持ちで参加しているものの、何故かホッとしてしまう、、
こんな感情が沸くので、その後にGさんから話を聞かせて頂いた『猟師の立場』というものに頷けるのだった。
時代による変貌
Gさんは語ってくれた。
- 罠猟の伝承途絶えている
- 猟友会自体が絶滅の危機
- 20年前は鹿は保護対象で餌までやっていた
- 落ち葉かきをしていた昔はきのこが沢山採れた
狩猟文化が途絶えつつあることにGさんは危機を感じている。
啓蒙活動のために明野大根まつりでは自腹を切ってまで鹿肉のソーセージ販売で出店したりしているのだ。
そのソーセージ、なんと加工賃が1500円/100g!
鹿肉を唯で計算したとしてもかなり高額なソーセージになってしまうということで、原価割れで販売していたらしい(加工賃15万円+出店料1万円に対して販売価格8万円)、、、
そうまでしても出店したのは、狩猟文化を伝えたかったからのようだ。
増え続ける鹿に対し、熟練した腕を持つ猟師の数が現状では少なすぎるとのことで、バランスが取れないそうなのだ。
持ちつ持たれつ
そしてGさんのお話で印象に残ったのは、『猟師』という存在、立場に対して語ったこと。
ブロッコリー畑の近くに罠を仕掛けていたのだが、なぜそこに仕掛けたのか?との問に対してこう答えてくれた。
そして、ゴルフ場に設置した罠をチェックしながら、こうも言った。
「動物愛護の方たちからもいろいろと言われたり、色々と微妙な立場なんですよ、、」
「先日罠に猿がかかっていました。仕留めるのに撲殺するんですよ、、、。誰しも嫌ですよ、、そんな事するのは、、、、。でも、(猟友会に)電話がかかってきて否応なしに「処理してくれ!」と言われるわけですよ、、、。」
寂しそうな表情でこう語るGさんの気持ちが伝わってきた。
野菜を育てる農家を守ろう!と自発的に『獣害』と呼ばれる状況を改善するべく動いているGさん。
嫌だとは思いながらも、依頼された汚れ仕事を請け負ってくれているGさん、、、
そんな背景を知らないと、動物愛護の人達からは軽蔑の目で見られるかもしれない。
しかしながらその愛護団体が食べる野菜は、実はGさんのような方々によって守られたために食べることができているのかもしれない、、、
素晴らしい自然!
「鹿肉をあげるよ」との誘いを受け、Gさんのお宅に行かせてもらうことに。
その途中、いきなりGさんが車を止めた。
寒い中、二人で山々を眺めていた。
頂いた鹿肉は美味しく頂き、友達にもおすそ分け♪