子育てで色々と苦労をしていたNさんから要望があり、子供自立合宿を開催しました。
前回、理想の学び場作りイベントでも話になりましたが、子供は自由を求めますが、それに責任が伴うことは知らないままの場合が多いですね。
『なんでも受け止めてくれるお母さん』、という存在、、、
これは良くも悪くも大きいでしょう。
自分から見て、「これは苦労するようになるだろうな」と思えるような状況が多々あったため、子供への接し方などに変化を与えたほうが良いとアドバイスをしていたのですが、そんな流れの中での今回のイベント。
素晴らしい気づきと子供の変化があったようなので紹介させていただきます。
体験談は一番下に載せさせていただきます。
合宿の様子
外遊び中。時に喧嘩しながらも、やはり友達と遊ぶのは楽しいですね。
野菜を切った後は調理するために火を起こす予定でしたが、疲れちゃって逃避中。
自分たちでシチューを作り、「今まで食べたシチューで一番美味い!」と喜ぶ子供たち。
小雨降る中、外で調理。雨で湿気る前に薪を用意しておいたら良かったですね。
帰り際、四歳のTちゃんは友達との別れがつらかったらしく、ずっと泣いていました。楽しかったんですね~。
Y.N.さん 女性
いつもいつも、兄弟同士で傷つけあって、ちょっとでもめんどくさいことは、やろうとしない。
ちょっと難しいことは、最初からあきらめる。
もちろん感謝もしない。
家では嫌がらせとケンカをずっと繰り返している。
生きる上で大事だと思う、伝えたいことがたくさんある。
けれど、もちろん言葉で伝えても、自分の背中で示そうとしても、どうやっても伝わらない空しさ。普段学校でコントロールされていい子でいて、それ以外では徹底的に反抗的な子どもたちに、とても手を焼いていた。
行く先々で母親である私は、人から冷たい視線を浴びたり、怒られたり、そしていつも謝っている。
なんとか前向きに子育てを楽しもうと思いながらも、私の産み育て方に、いやもっと前、私のこれまでの生き方に要因となるものがあったからではないかと、ふかーいところで、いつも私は私を責めていた。
なんとなく、普段と違う場所と人で、子どもたちに生活をゆだねてみたら、心と体はどうなるか、見てみたかった。
そこで今回の古民家でのこども合宿。
何を食べるか、何を買って用意するか、どうやって火を起こしてどう煮炊きするのか。
何して遊ぶか、1人で過ごすのか、みんなで遊ぶのか…
とにかく子どもたちに委ねた。
もちろんわからないことは大人に聞いてもらって。
子どもたちが作業に集中するわけはなく、「あぁ~今日はごはんも風呂もないかもな~」と大人があきらめかける瞬間もあった。
でも最終的には、大人が「強制をする」ことをしなくても、程よい助けを得ながら子どもたちは火をおこし、カレーやシチュー作り、薪で火を焚いてお風呂に入ったりした。
不思議な出来事だった。
古民家で、本当に不便な設備で、普段のごはん、簡単にお風呂に入れる生活、トイレの水が一瞬で流れることのありがたさを、口で伝えることの何倍も、感じていると思った。
親はものすごい忍耐が求められたけども、できるだけ待ち、子どもたちで考えてもらった。子どもたちも協力しあって色々クリアした。
けんかっ早いメンバーがそろってたから、合間に取っ組み合いのケンカを本当に頻繁にする。でも、考えて話し合うってことに慣れてくると、ものすごい怒鳴り合いをするんだけれど、その中でもよく子ども同士で助言をしあったりする姿が見られた。大人のように白黒とすっきりした解決はしないかもしれない。でもあとで各々が「あーやっぱり俺がわるかったかな」とか「あやまっときゃよかったな」とか、ぼんやり考えるような終わり方をする。
友達を見習って、普段はめんどくさがってやらないことも、率先して動いていた。たぶん学校だと、上下関係とか同調圧力とかで、仕方なく頑張っている部分が多いけれど、そういう頑張りとは違う気がした。いつもと違って、ありがとうとかごめんなさいを素直に言う場面があったし、自分の気持ちを冷静に表現することもあった。普段はすぐにあきらめるのに、「そんなに簡単にあきらめちゃだめだ」なんてことも言うようになった。1泊目より、2泊目はもっと色々なことが上達していた。自分より小さい子に対して、いつもすごく意地悪で、わざと泣かせることばかりしていたけれど、最後の方は、他の友だちがどうしているかを見て、まだまだ「やさしい兄ちゃん」とは程遠いけれど、イライラせずに、少しだけうまく付き合えるようになっていた。なんだか不思議な変化が色々あって、魔法みたいだった。
うちの子は、普段はイライラしてすぐ怒ってしまうけれど、今回「全然おこらないでいられてうれしい」と言ってとても喜んでいた。人に親切にできると、自分のことも好きなれる。
友だち同士お互いに「なんでおかあさんにそんなに怒るんだ」とか、野菜をどうやって切るかとか、火の扱い方とか、とにかくすごくよく怒ったり、アドバイスしあったりしていた。強制や管理的な縛りがない中で、同い年くらいの子からのそういうアプローチをされると、自分がしていることを振り返ったり、色々と素直に感じるみたいで、彼らにとっては大きな気づきを得るチャンスになったみたい。また忘れるだろうけど、一旦感じた感覚は、きっと体の一部になってるはず。
フラットな関係の、自由な空間の中すごすこと。その中で人の影響を受けながら「能動的に」動いた結果感じること、体験することで、どれだけ本物の学びになるかを、本当に心底味わった。
つぎはバターをつくってみようとか、雨水をろかしてみようとか、やってみたいことが子どもの口からでてきたから、またやりたいな~
関わってくださったみなさんが、お部屋や色々な物を気持ちよく貸してくれたり、温かい気遣いと、やっかいな子どもたちに向き合ってくれたり。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。本当に「ありがとうございました」×100回!